珈琲へのファーストインプレッション

2017年1月11日 Kishimoto Yoriko

デザインの仕事をしていて面白いのは、いろんな業界に詳しくなれることだと思う。デザインは常に自分×誰かのコラボレーション、ということ。しかも上部だけ知ればいいものじゃない。いろんな事を尋ねる。短期間ではない場合、特に数年書ける場合は勉強もそれなりにしないとどうにもならない。
実は、私はコーヒーに興味がなかった。もっぱら紅茶・日本茶派で、食事とお酒を楽しむ人くらいの感覚で、食事とお茶を楽しむタイプ。コーヒーの見どころがわからないし、フレッシュとかいう白い液体も胡散臭くて嫌いだったし、缶コーヒーはカフェオレがギリギリライン。この語り草で伝わるかもしれないが、どっちかいうと嫌いだった。

SanwaCoffeeWorksと仕事をしだしたのは、2012年ごろ。
当時の本店は天満市場に佇む二代目が営む『三和珈琲店』だった。(現:&coffee)長年、市場の人たちの心を寛がせてきた店内はタバコの香りと珈琲の香り、ご夫婦の笑顔。仕事の合間のつかの間の時間を各々愉しみにその小さい空間に入ってくる。『さて、寛いだろ。』と言わんばかりにソワソワっと入ってきて、夫婦と会話を交わして席に着く。


レトロな内装に新聞片手のおじさん。美味しそうにパンを頬張るおばさん。私は不思議なノスタルジーな感覚に飲み込まれてしまった。1959年からずっと、この光景が続いてきた。

絶対に絶やしてはいけないな、この空間を。とその時に強く思った。三和喫茶で初めて飲んだアイスコーヒーの味は、多分ずっと忘れない味。美味しかった。
それから三代目店主とデザイン×コーヒーのモーレツな試行錯誤が始まったわけですが、徐々にコーヒーの味がわかってくるタイミングがあった。私はブラックは苦手なので、砂糖を入れる。すると途端に果実のような酸味やナッツのような香味、どれもつぶさに感じることができるようになった。
三代目店主は『砂糖入れるとか邪道やで』という顔をしていたけれど(笑)その後、あるバリスタに『いや、それも正解ですよ』と言われ、私は『ほら見ろ。』と言わんばかりに笑みを浮かべた。
砂糖を入れることで、舌の上でいろんな色彩が踊るような感覚。異国情緒、ゴシックな模様、マーブルしていく味の色彩。
それが私の頭の中でイメージに繋がる。
それが今のパッケージのラベルに施してあるデザイン。
印刷物にはいくつかルールがあるけど、私はこのラベルのシリーズだけは、そんなの無視して作っている。
舌の先と頭の中に浮かぶイメージをどんな手を使ってでも再現したい。それが本音。
第一弾のデザインから大きくマイナーチェンジをし、徐々に調整をしながら作ってきたので、これからもその徐々は存在しそうな予感。目指すところは、よりコアな部分を捉えてもっと人に味が伝わるデザイン。
私みたいなコーヒー嫌いがコーヒー好きになる日が来ること、それが一番嬉しい結果、かもしれない。


アートディレクター

岸本資子

Kishimoto Yoriko

The Oriental Design代表。オープン当初から全てのデザインを担当。パッケージデザイン、店舗インテリア、コンセプト、ホームページデザイン、動画作成…etc 地元岡山を拠点として幅広い分野で活躍している。



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