about “Aero Press”

2017年3月9日 Akira Niidome

コーヒーの主な抽出方法

コーヒーの抽出方法にはたくさんの選択肢があります。

  • プアオーバー(ハンドドリップ)
  • ネルドリップ
  • フレンチプレス
  • サイフォン
  • エアロプレス

他にもマキネッタだったり煮出したり、カッピングみたいな感じで濾さずに飲む人もいますが、少なくともスペシャルティコーヒー的には代表的なところは上述の5種でいいかと。
ネルは形の上ではプアオーバーの一種ですが、手間も味わいもルーティンも違うので分けて問題ないでしょう。

今回記事で触れたいのはエアロプレス。手軽さという点ではやや疑問は残るるけれど、利便性も楽しみの幅もコーヒーの味わいも最高レベルの抽出方法です。

エアロプレスの歴史

エアロプレスの起源

「昔はこうやってエスプレッソを入れていたのかな」
エアロプレスで濃い目に抽出する際に、お客さんにこう言われたことがあります。
エスプレッソはマシンが発明された時点を起源としても100年以上経過している、コーヒーの歴史とは切っても切れないもの。
一方のエアロプレスの歴史はむしろ浅く、2005年にアメリカの”Aerobie(エアロビー)”という企業の創業者であるアラン・アドラー氏によって発明されたものです。

Aerobieはフリスビーメーカー

ちなみにエアロビーという会社はエアロビーというフリスビーのメーカーです。
学生の頃にSCWのロースターと群馬のだだっ広い草むらでエアロビーのフリスビーで遊んだことがありますが、優に100mは飛ぶ代物でした。遊ぶ場所と相手を選びますが、これも非常にオススメです。フリスビーとして。

エアロプレス開発の経緯の記事のご紹介

開発の経緯についてはここでは触れませんので、リンクにてご紹介します。
▼米国のサイトでのインタビュー記事
BACKCHANNEL_The Inovation of the Perfect Cup of Coffee
▼それをまとめた日本語の記事がこちら
GIGAZINE_世界的フリスビーメーカーが世界的コーヒーマシンを作ることになった経緯とは?

エアロプレスのオススメポイント

新しい抽出方法なので、従来の抽出方法における不満点がいくつか解消されている気がします。

幅広い挽き目と粉の量に対応可能


ペーパードリップならメッシュが細かすぎると湯が落ちなくなったり、粗すぎると十分に味を出すためにコーヒー粉の分量を増やすことになります。念のために断っておくと、メッシュとは粉の挽き目のことです。
エアロプレスは最後に圧力をかけて抽出するので、メッシュが細かくても抽出可能です。逆に粗くてもフレンチプレスのように湯に浸けておく時間を稼げるので、ある程度の粉量があれば十分に味わいを引き出すことができます。もちろん味わいは変化しますが、それは遊べるレシピの幅が広いということでもあります。
ご自宅にプロペラで粉砕するタイプのミルしかなくてもある程度安定して美味しいコーヒーが入れられますし、メッシュの調整ができるミルをお持ちなら幅広いレシピを考えて楽しむこともできます。

家でもアウトドアでもOK


アウトドアコーヒーにオススメな理由は3つあります。

ドリップポットが不要


湯を注ぐ際はフレンチプレスのように湯を溜める形になるため、投湯のスピードを調節する必要はありません。そのため、ドリップポットがなくても十分に美味しくコーヒーを淹れることができます。
アウトドアアクティビティにおいては少しでも荷物を減らしたいもの。口が細長いドリップポットを運ぶには結構なスペースが必要になるので、それがなくてもいいというのは大きなメリットですよね。
もちろん、家にドリップポットがないという人にとっても十分に魅力的なポイントだと思います。

プラスティック製で丈夫

ドリップポットが不要な点においては、フレンチプレスにも当てはまります。ただ、フレンチプレスはほとんどがガラス製。エアロプレスはプラスティック製なのでリュックの底に詰め込んでおいても割れることはほとんどないと思います。アウトドア用のタンブラー状のフレンチプレスもありますが、あれは家で活躍させないので…。

ゴミの処理が楽


ポンっと粉を押し出して捨てられるので周りに撒き散らすことなく処理できます。
粉に残っている水分も比較的少ないので、ビニル袋に捨てて袋の口を縛れば割と安心です。

抽出がスピーディ


レシピによってはトータル抽出時間は1分余りで済ますこともできます。粗めでアメリカン寄りに抽出する際のハンドドリップと同等か少し早いくらいでしょうか。

交換部品は個別に購入可能


フレンチプレスもそうですが、壊れた時は部品毎に購入することができます。特にゴムパッキンの部分は使用しているうちに劣化して圧力が掛かりにくくなったり、長期間洗わずに放置していたら埃の付着などで油脂が浮いてベタベタするようになったりするので、交換が必要になります。

フィルターは紙と金属から選べる

購入時に付属してくるのはペーパーフィルターですが、別売りの金属フィルターを使うこともできます。金属フィルターも目の細かさなどでいくつかの種類があります。
金属フィルターを使用する場合は、抽出後に粉を捨てる前にフィルターを回収する必要があります。つい癖でゴミ箱に捨ててしまわないよう気をつけましょう。

エアロプレスのここがイマイチ

ピストンのような特殊な形状と使用方法のため、いくつかのデメリットがあります。
デメリットの内容を見てみると、なんとなく発明家による発明品っぽい気もします。発明とは新しいトレードオフポイントを見つけることだよ的な。

あまり大量に淹れるのには向かない


これがエアロプレス最大のデメリットでしょうか。
今のところエアロプレスはワンサイズ展開で、湯を最大限に注いでも250cc入らないくらいのサイズ感です。
濃いめに淹れて湯を足すというレシピにすれば抽出量を増やすことも可能ですが、それにも限度がありますしね。

縦長であるが故の不安定さ


エアロプレスでコーヒーを提供するコーヒーショップではポピュラーな淹れ方であるインヴァート方式。インヴァート方式ではエアロプレスを逆さまにおいて使用します。そのため、不意に手が当たったりすると直ぐに倒れてしまいます。粉だけ淹れた段階ならまだいいのですが、湯も入れた状況でやってしまうと悲惨です。
他にも逆さまなのを戻す時に内部の空気がお湯で温められて膨張し、プランジャー(ゴムの付いたピストンの方)が外れてしまったりするので、インヴァートで使用する時は色々と注意が必要です。

場合によってはコップが割れることも?


抽出する際に手で上から圧力を掛けるのですが、粉が非常に細かくて量も多い場合は全体重を掛けても抽出できないことがあります。画像のような状態ではエアロプレスの下に置いているコップやサーバーに相応の負荷が掛かりますので、場合によっては割れます。仮にガラス製のものが割れた場合は辺り一帯に飛び散る可能性もありますので、あまりに堅い場合はミルクピッチャーなど金属製のものに抽出してからカップに移せば大丈夫です。

エアロプレスの抽出方法は次回

エアロプレスを使えばどんな淹れ方をしても大体美味しく飲めるとこが個人的に本当にお気に入り。レシピの遊び幅は広くて味の平均レベルも高いので、いろんなレシピを考えながら長く楽しめる点も好きです。
ザックリとエアロプレスを紹介してきましたが、その抽出方法については次回ご紹介したいと思います。
基本的な淹れ方というよりも、これだけレシピで遊べますよって形で考えてますので、お時間ありましたらまたお目通しください。


Support Staff

新留享

Akira Niidome

姉妹店&COFFEE前店主   現在は広報や商品開発をメインにバックヤードでSanwaCoffeeWorksに従事



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