エアロプレスの使い方 -How to Aeropress-

2017年3月23日 Akira Niidome

今回はエアロプレスの使い方のご紹介。
ちょっと扱い方に慣れが必要ですが、器具を倒さないようにとかその程度の話です。
慣れればHARIOのドリッパーよりも簡単にクオリティの高いコーヒーを入れることができます。
とりあえずご説明した方が早と思うので、早速始めましょう。

エアロプレスでの抽出に必要な道具

  • エアロプレス本体
  • エアロプレス用のフィルター
  • パドル(スプーンでも可
  • ドリップスケール(スケールとタイマーでもOK。最悪なくても可。
  • ポットorケトル
  • サーバーorしっかりめのコップ類
  • コーヒー粉

上3つはエアロプレスの商品セット内に含まれています。
ドリップスケールは時間を重さを同時に測ることができるもの。ただそれだけなのにすごく便利です。重量を量る機能も結構精度が高いので製菓などに使用してもいい感じです。見た目もいいですし。
ポットはお湯が沸かせればドリップ用じゃなくてもいいです。エアロプレスの注ぎ口からこぼれないように注げればOK。そっと注ぐことができるとなお良しです。
カップに直接落とす場合は、デリケートなカップじゃなければ大丈夫です。

エアロプレスの各パーツの名称

説明する上で「ゴムがついてる方」とかだとあまり良くないので、パーツの名称をご紹介。
画像①から、プランジャー
②チャンバー
③フィルターキャップ
④パドル(スプーンなどで代用可
「プランジャーをチャンバーにセットして粉を入れ…」といった感じです。
エアロプレスを買うとこの他にも計量用のスプーンや専用の漏斗もついています。

抽出レシピで検討する項目について

エアロプレスはレシピの中で変更できるポイントも多いです。
レシピを決める上で設定すべき点は下記の通り。

  • 方式・スタイル
  • フィルターの種類
  • 湯温
  • コーヒー粉の量
  • メッシュの細かさ
  • 蒸らし時間
  • 撹拌回数
  • 圧をかけて抽出する時間
  • トータル抽出時間
  • カップへの抽出量
  • 抽出液を割るお湯の量

レシピの各項目について

方式・スタイル

エアロプレスを使うときはどっちを上にするかを決める必要があります。
通常の向きでフィルターキャップをセットしたところに粉とお湯を入れていくのがノーマル。画像のようにチャンバーとプランジャーを逆さまにしてセットするのがインヴァート方式です。
インヴァートはかなり縦長のモノを置くことになるので物理的な面で不安定になります。その代わりにゴム栓部分に湯を入れていくことで抽出途中でポタポタと液がカップに落ちていくことがなく、味わい的には安定します。そのため、コーヒーショップではインヴァートで抽出するのが一般的だと思います。

フィルターの種類

ペーパーフィルターと金属フィルターから選びます。
ペーパーフィルターの場合は2枚使うのも掛かる圧力が増すので面白いかもですね。ペーパーの場合は抽出直前に湯でフィルターを湿らすのがオススメです。
金属フィルターを使った場合はもちろん微粉がカップに入る代わりに、コーヒーオイルや細やかなフレーバーも楽しめます。金属フィルターには目の細かさなどで種類があるのでそれも選択対象になります。

湯温

お湯の温度は豆や目指す味わいによって変えるのでお好みで。場合によっては沸騰状態のまま使ったり、78℃で淹れたりもします。以前Japan Barista Championshipでは冷水で抽出したのちに湯煎して温めるというのもありました。なお、抽出時に粉にかかる圧力はハンドドリップよりも強いため、同じ温度で比較すると成分がより抽出されやすいです。

コーヒー粉の量

圧を掛けるので、ペーパードリップと同じ分量だと結構濃いめに仕上がります。濃かった場合はお湯で少し割るのもありなので、あまり慎重になるよりもどんどん試しましょう。
エスプレッソライクに入れる時は24gに対して60ccなんていう濃度で淹れたりも。粉の量が増えると圧がかかりやすくなる点も注意です。

メッシュの細かさ

極粗挽きから極細挽きまで対応可能です。メッシュも細かいほどプレス時に圧がかかりやすくなります。

お湯の総量と注ぎ方

総量は粉に対して決めた分量で決めます。ただ、インヴァート方式はあまりお湯が入らず、250ccくらいが上限ではないでしょうか。
お湯を全部入れた後はパドルで撹拌しにくくなることもあり、お湯は二回に分けて入れる形にします。1回でもいい場合もありますが、回数はあまり弄らない項目のため毎回統一設定がいいかと。
お湯を注ぐ勢いについては、毎回ある程度同じ感じで注げればそれで大丈夫です。

蒸らし時間

1投目と2投目の間の時間です。インヴァート方式では器具内に溜めている状態なので、トータル抽出時間が一緒ならそこまで味を左右しないという考えのため今回は考慮しません。

撹拌回数

粉全体が確実に湯と触れるようにするために湯の1投目のあとに1ストロークかき混ぜるようにすることをオススメします。その後は粉をどのくらい撹拌させるかで決めましょう。撹拌するほど成分が出やすいです。

圧をかけて抽出する時間、圧の程度

抽出時に手で思い切り押すほど強い圧力かかり、抽出する時間は短くなります。一般に10-30秒の間で調節することが多いかと思います。

トータル抽出時間

お湯を注ぎ始める直前からの計測。最短でおよそ1分程度から、インヴァートならフレンチプレスのように4分待つことも可能です。
通常使用の範囲なら120秒以内に抑えることが多いです。

カップへの抽出量

最後までグッと押し込むと最後は粉を絞る形になり、エグ味成分も感じやすくなります。クリアな味わいにしたい場合は直前で抽出を止めるのがオススメ。目安としてはフィルターキャップから空気が抜ける音がする直前まで、でいいと思います。

抽出液を割るお湯の割合

お湯をコーヒーに入れるということをネガティブに捉える方もいらっしゃいますが、全然アリです。ブリュワーズの大会でも湯で割るレシピで参戦することはよくあります。
家で淹れるなら、追加するお湯の量はとりあえず抽出液の味をみてからの判断でも大丈夫。その後ちゃんと記録しておけばトライアンドエラー的にも問題ありません。

インヴァート方式の手順

前置きが長くなりましたが、ようやく手順のご紹介です。
これまでの点を踏まえて、今回のレシピはこんな感じに。

項目 今回のレシピ
方式・スタイル インヴァート方式
フィルターの種類 ペーパー1枚
湯温 86℃
コーヒー粉の量 16g(66g/ℓ)
メッシュの細かさ 中挽き
お湯の量と注ぎ方 100cc→240cc
蒸らし時間 特に決めない
撹拌回数 4ストローク→1ストローク
圧をかけて抽出する時間 15sec
トータル抽出時間 100sec
カップへの抽出量 200cc
抽出液を割るお湯の量 40cc

1.お湯を沸かす
 沸かしている間に2-4を準備します。

2.プランジャーとチャンバーをセット

 あまりギリギリだと危ないので、1cmくらい押し込んだ位置で。

3.フィルターキャップにフィルターをセット

4.豆を挽き、量を図ってエアロプレスに入れる

 重さの誤差の影響はそこそこ大きいので、計測はしっかり目に。

5.お湯の温度を調整する
 これはお湯に水を足して調整するだけです。

6.タイマーをスタートさせてお湯の1投目を入れる

 レシピどうり100ccまで注ぎます。

7.パドルで撹拌する

 パドル(写真ではスプーンを使用)で4ストロークかき混ぜます。

8.お湯の2投目を入れる

 設定した240ccいっぱいまで。

9.パドルで撹拌する
 ゆっくり軽く1ストローク。

10.フィルターをお湯で湿らせる

11.フィルターキャップをチャンバーにセットする

12.上下を入れ替えながらカップorサーバーに乗せる

 ここが危ないのでプランジャーとチャンバーが外れないように抑えながら。

13.時間を見ながらプランジャーを抑えて抽出する

 ある程度一定のペースで押し込みます。

14.必要に応じてお湯を加える

 抽出液をいくつかのカップに小分けにして、数種類の比率を試してみるのも楽しいですよ。

細分化しているので長くなりましたが、やってみれば意外とシンプルです。
12で上下を入れ替える時は準密閉空間で中の空気がお湯に触れて膨張するので、膨張圧力でプランジャーがチャンバーから抜けないようにしっかり抑えながら作業してくださいね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
HARIOのドリッパーよりも簡単だと冒頭で述べましたが、適切なロースト具合で焼かれたスペシャルティコーヒーは新鮮だったとしても湯を注いだ際にあまりコーヒー粉が膨らまないことがよくあります。膨らまない豆をハンドドリップで安定して美味しく淹れるには少し慣れが必要で、いくら同じレシピにしても同じ味が出ないことが往々にしてあります。この点において、エアロプレスは他の人のレシピを比較的簡単に再現できます。これも私がエアロプレスが好きな理由の一つです。
「興味はあるけどいきなり買うのは不安だな」という方は、SCWで抽出器具ワークショップでもエアロプレスを試せるので、是非ご参加ください。エアロプレスを使えるようになるとコーヒーの楽しみがグッと広がりますよ。


Support Staff

新留享

Akira Niidome

姉妹店&COFFEE前店主
 
現在は広報や商品開発をメインにバックヤードでSanwaCoffeeWorksに従事



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